シナリオ特訓道場

シナリオに関するあれこれを書いてきます

番外編:短編シナリオ「宙旅行」①

こんばんは、カモトモです。


ちょっと練習がてら
今回、「2話完結」のシナリオ書いてみます。。



宇宙への旅行(宙旅行)が実現したら、こんな事件がおこるかもしれません。


第一話 藍色のハンカチ




○宇宙
大型宇宙船、宇宙ステーションの横を通って地球に向かって航行している。


アナウンスの声「当機はあと15分ほどで地球への着陸準備に入ります。お立ちのお客様はお席にお戻りください」


ジェットエンジンの出力が下がる。


○宇宙ステーション・中央管理室
壁には大型モニター設置され、部屋中に機械や操作盤が置いてある。
多くの人が持ち場で忙しく作業している。
部屋の中央あたりで東条進平(57)が大型モニターを見ている。


東条、デスクに座って作業する橋本に向かって


進平「どうだ、船と誘導電波との接続状況は」


橋本「はい、ただいま航行中の二船とも良好です」


進平「そうか」


進平、手元のモニターの液晶パネルをタッチする。
椅子に座ってこちらを見る東条隼人(18)がパネル上に映し出される。


進平「またせたな。電波状況は良好だ。進行航路に問題はない」


隼人「ありがとう、父さん」


隼人、周囲の状況を確認し
隼人「ここの環境は良好とはいえないけど」
と画面に顔を近づける。


進平「宇宙遊泳はするのか」


隼人「うん、土星の輪の流れに乗るつもり」


進平「そうか。あそこは流れが早い。気をつけろ」


隼人「分かった」


船員の声「おーい、隼人。これみろよ」


隼人「ごめん、父さん。もう切るわ」
進平、うなづく。


液晶パネルに「no connected」との表示。


横川麻友(25)が進平の近くまでくる。


麻友「息子さんですか」


進平、うなづき
進平「今日が初めての宙旅行なんだ」


麻友「初宙旅行か。いいですね」


進平「横川も18の時か」


麻友「いえ、私はこの仕事に着いてからです」


部屋中にサイレンが鳴り響く。
システムの声「警告 警告 脅威を確認しました」
壁のモニターに「ALETR」の表示。


進平、机においてあるコーヒーの入ったマグカップを持ち
進平「どうした」
と橋本の側まで歩いていく。


橋本「当ステーションに小惑星接近」


進平「軌道は」
とコーヒをすする。


橋本「第三居住区に衝突する軌道です」


進平「そうか。なら、回転軌道の調整だ。主力ターボを二段階ふかせ」


橋本、操作盤に入力する。


システムの声「脅威が消失。警告を解除します」


サイレンが鳴りやむ。
壁のモニターに航行船舶の状況が表示される。


麻友「東条さん、さすがです」


進平「当然だ」
と再びマグカップを口につける。


大きく揺れる室内。
再びサイレンが鳴り響く。


東条、揺れた拍子にコーヒーをこぼす。


橋本、操作盤に慌ててなにか入力し
橋本「レーダーが捕捉してなかった隕石が衝突した模様。機体が一部損傷」


進平「ガタが来たか。交換だな」
と制服からハンカチを取り出す。


進平「で、喪失機能はあるか」
とマグカップのフチのコーヒーを拭く。


橋本、言いづらそうに
橋本「ゆ、誘導電波発出機能です」


ハンカチを動かす手が止まる進平。


(続く)


ハイテク(デジタル)とアナログって意外に混在してますよね


この話の小惑星回避も技術的に遅れた部分から


問題が生じています。。


今後実現される自動運転も思わぬところに


アナログが潜んでそうです。


どうなることやら


カモトモ