シナリオ特訓道場

シナリオに関するあれこれを書いてきます

9月度「めくるめく惑星のバーストシティズン」#2

こんばんは、カモトモです。


今日仕事で外に出ていたんですが、


突然の雨でずぶ濡れ…


そのまま向かうわけにも行かず


ワイシャツを購入してしまいました。
(コンビニの安いやつ。。)


さて、今回は『めくるめく惑星のバーストシティズン』の二話目です。


電撃的なリックBCS候補選出発表翌日の
ウェイドとリックの仕事場での出来事です。
(シナリオなんで、展開が遅くなってしまって申し訳ないです)


第二話 謎の男と守るべき約束

(続き)


○バースト社製品組み立て工場(朝)
だだっ広いコンクリート造りの工場。
工場の後方には製品を運ぶベルトコンベアが4本走っている。
工場前方には朝礼台の上に立つ上官(28)を前に20名ほどの工員が整列している。



上官、腕時計を見る。
9:05を指している時計の針。


勢いよく開くドア。


ウェイドとリックが走り込んでくる。


ウェイド
「す、すいません。お、おそくなりました」


リック
「ホントすいません」


朝礼台の前まで行って、二人揃って深々と頭を下げる


上官、朝礼台から降りてくる。


頭を下げたままのウェイドとリックの前に立つ。


上官
「ウェイド、リック、あれほど時間に遅れるなと言っていたはずだ」
と語気つよくいう。


上官
「特にウェイド。お前、今年入って何回遅刻した」


ウェイド
「はい。確か、12か、13回だったと…」


上官
「違う。25回だ。」


「リックはその半分」


と語気を強く言う。


ざわつく工員たち。


上官
「もう限界だ。ここまでだな…」
「ふたりとも顔を上げろ」


下を見つめたまま目をパチパチさせるリック。
生唾をのむウェイド。


ゆっくりと顔を上げる二人。


上官含め工員みんなが拍手する。


ウェイドとリック、キョトンとする。


上官、工員たちの方に手を向け
上官
「こいつら、早くリックを祝福したかったのに。
遅刻しやがって。バカモン」
とリックの肩に手を置く。


ウェイドとリック、笑みが溢れる。


上官
「BCS推薦おめでとう。そして、いままでおつかれ。一緒に働けて誇りに思う」
とニッコリ笑う。


上官、ウェイドを真面目な顔でみつめる
笑っていたウェイドの顔が曇る。


上官
「リックに感謝するんだな。次はないからな」


ウェイド
「は、はい」


上官
「リックも最終日だからって気を抜くなよ」


リック
「はい」


上官
「もどれ」


ウェイドとリック、工員たちの列に入る。


上官、朝礼台の上にたつ。


上官
「盛大に祝ってやりたいが続きは終業後だ」
「次に、紹介したい新入りがいる」


上官、整列する工員の後方に向け手招きする。


コツコツと音を立てる靴


朝礼台のところまで歩いてくるマックス(28)


上官
「今日からここで働くことになったマックスだ。みんな、よろしく頼む」
とマックスの背中を叩く。


マックス、小さく頭を下げる。


上官
「配属は…」
と拳を顎に当てる。


上官
「ライン2だ。しっかり教えてやってくれ」


顔を見合わせるライン2の工員たち。
工員
「はい」


上官
「それと、このところ作業効率が…」


リック、ウェイドに耳打ちする。


リック
「マックス、うちの班みたいだね」


ウェイド
「あいつ、どんなやつなんだろ」


まっすぐ前を見つめるマックス。


リック
「真面目そうでいい人みたいだよ」


ウェイド
「そうか、なんか暗い奴っぽいぞ」


同じ班の工員に目を向けるウェイド。


立ったまま眠る工員に、ちょっかいを出す工員。


ウェイド
「あーリックは今日退社で、俺は一人こんなとこに残されんのか」
と頭をかきむしる。



リック
「そんなこというなよ。同じ班になったんだし、マックスに期待しようよ」


ウェイド
「望み薄だけどな」


○バースト社製品組立工場・ライン2ベルトコンベア前
大きなベルトコンベアが置いてあり大小様々な部品が流れている。
その周りで2名の工員とウェイド、リックがマックスを囲んでいる。


ウェイド
「お前、なんとか言えよ」
とマックスの襟首を掴む。


リック、ウェイドとマックスの間に入って二人を離す。


リック
「まあまあ、ウェイド落ち着いて。
 マックスだって今日来たばかりで緊張してるんだよ」


ウェイド
「ふん、好きにしろ」
ウェイド、ベルトコンベア横の備品をいじる。


工員1がマックスの肩に手を置いて
工員1「遅刻魔のウェイドなんかに指図されたくないよな」


マックス、工員の手を払う。


マックス「はやく持ち場につけ」
と部品を持ち上げる。


あっけにとられる工員


ウェイド
「もういい、さっさとやるぞ」


リック
「はいはい」
と部品が入った荷物を持ち上げる。


○バースト社製品組み立て工場(夕)
朝礼台に立っている上官の前に工員が整列している。


上官
「以上で、今日の業務報告は終わりだ」
「それじゃ…パーティーの開始だ」


歓声を上げる工員たち。


○バースト社製品組み立て工場(夜)
工場の前方のスペースに残り少なくなったオードブルが広がっている。
リックとウェイド、出口付近で食事をしている。


ウェイド、工場全体を眺めて
ウェイド
「ずっと、ここでばかしてたのにな。お前がBCSの候補か」


リック
「今でも信じられない。でも、夢だったからすごい嬉しかった」


ウェイド
「女の子にモテモテなるのか。羨ましいな」
とリックを肘で突く。


リック
「そんなことないよ」
「あ、そういえばウェイドのお父さん、バーストシティズンじゃなかったっけ」


ウェイド
「うん。そうだよ」


リック
「あんまり聞いたことなかったけど、ウェイドのお父さんどんな人」


ウェイド
「体がとにかくデカかったかし、声が大きかったな」


リック
「そっか。もし選ばれたらウェイドの馬鹿話したいなぁ」



ウェイド
「リック。実は、父さん行方不明なんだ。俺がスカイロックに来てから」


リック、食べる手を止める。


リック
「そうだったんだ、ごめん」


ウェイド
「いや。父さんは強いから絶対生きてるって信じてる。それに…」


リック
「それに」


ウェイド
「父さんと約束したんだ。近くで家族を守るって」


ウェイド、胸のロケットペンダントを見つめる


うっすら輝くペンダント。


ウェイド、一瞬うつむいたあと、笑顔になって
ウェイド
「俺はここに残って家族を、この町を守るんだ」


リック
「そっか。お父さんと約束のこと、話してくれてありがとう」
「おれ、ウェイドに負けないように頑張るよ」


ウェイド
「それ俺のセリフだって」
「だけど、さっびしくなるなー」
と一気に飲み物を傾ける。


地面で寝そべっていた工員2がウェイドの足を引っぱる


工員2
「お前、さきこされたな。ウェイド」


リックに向かって
工員2
「おい。リック、こいつ町の外行って冒険したいんだ」
「腹の中では死ぬほど悔しいと思うぜ」


うつむくリック。


ウェイド、軽く振りほどき
ウェイド
「そんなわけないだろ」
「こいつ、主役そっちのけでなにやってんだ」


工員3が近寄ってくる。


工員3「わるいねぇ。最後なのに、こんなめちゃめちゃになって。」


地べたに寝そべっているたくさんの工員。


工員3、リックの手を持って
工員3
「リック、俺もバーストシティズンになるのが夢だったんだ。がんばって」


リック
「うん、がんばるよ」


工員3
「片付け、俺たちでやるから。先帰っていいよ」
「ウェイドも」


ウェイド
「おう、ありがとな」


リック
「ごめんね、ありがとう」


工員3、寝そべる工員2を介抱する


ウェイドとリック、出口に向かって歩いていく。


ウェイド
「そうだ、リック。
 明日、スカイボードで勝負しようぜ」


リック
「おぉ、いいね。暫くやってなかったし」


マックス、ウェイドとリックの隣を通りかかる。


ウェイド
「マックス。今日は色々あったけど、また来襲からよろしくな」


マックス、リックを一瞥し通り過ぎる。


ウェイド
「なんだよ、あいつ」
「暗いんじゃなくて愛想ゼロだな」


リック
「そうだね」


上官と何やら話しているマックス。


ウェイドとリックに気づき、手を上げ挨拶する上官。


挨拶をするウェイドとリック。


(続く)



遅めの更新になりました。
次回以降もドンドコ書いてきますんでよろしくおねがいします。


カモトモ